2004バーニングマン:ただいま



ヒッチハイクしながらレイプされかかったりUFOに追いかけられたりトラブル満タンで会場へ向かう。


会場が近づくと道路の先に大きな丸い月に照らされる会場が見える。
ああ、バーニングマンは月の光のしたでやってんだ。なんてファンシーなコトをうっかり真剣に想う。

今日は9月4日。7日間あるバーニングマン(以下、マン)開催期間の5日目。
初日から参加するつもりだったけど、1年以上の旅のファイナルとしてペルーでシャーマンを追いかけて
いたから今年は大遅刻。
今日の20時頃に、マンをつかさどる数十メートルの巨大な偶像が燃える大イベントがあったハズ。
現在の時刻は23時。
残念だけど、ちょっとだけ、間に合わなかった。


ヒッチした相手に感謝を告げて、会場中央の偶像のあったハズのへ向かう。
靴を脱いで気温の下がって冷たい砂漠をハダシで、歩く。

遠くに聞こえるは歓声と奇声と音楽。
遠くに見えるはどこまでも続く大きな大きな夜空。
そしてやっぱり広い広い砂漠。
相変わらずヘンなカッコしたヒトが必要以上にウロウロしてるし、
ヘンな建物やオブジェがデコデコ必要以上に散らばってる。
相変わらずの風景が嬉しくて「バーニングマン♪バーニングマン♪」なんてデタラメな歌を大声で歌う。


道すがら中国風の巨大な鐘が目にはいる。カラダ中の遠心力を使って大きく「カアン!」と鳴らす。

満足げにニヤついていると、ピンク色のミニスカ白衣を着てピンク色のウィッグを被ったおっさん登場。
そのまま鐘横の歯医者の診療台みたいなのにムリヤリ座らされる。

目を見開かされたり脈を測ったあと、突然「キミは病気だ!」とか指さして叫ばれる。

エッ!?私、病気!?病気なの!?
・・・マジで!?

巨大な注射器型の水鉄砲の中の液体を飲めと言う。
コレ薬なの?何の薬なの?バカに効く薬なの?

ヒトクチ飲むと・・・コレ、ウォッカじゃん!!!!!

会場着いて5分で既にイロイロな意味でヘロヘロにされる。
ホント、マンはさすがにマンだよ。



千鳥足で偶像へ到着するも、さすがに炎を取り囲むヒトはもう少なかった。
マシュマロをもらったので、長い棒に突き刺して炎で焼いてホクホク食べる。

食物をお腹にいれて、ふうと一息。目を閉じて更に大きく深呼吸。
不意に口元が、緩む。

ああ、帰ってきた。マンに帰ってきたよ。
バカバカしさ一杯ながらも、愛が溢れてる場所に。

「ハッピーバーン!」叫びながらその辺にいる人と誰かれ構わず祝福のハグ。

そうして再度、歩き出す。

少し、風。ハダシのままの足元はひんやり。でもココロはほかほか。
「ただいま。」と呟きながら、何かを確かめるように手の甲に、キス。




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