バーニングマン2015


恋が破れた。
仕事を辞めた。

バーニングマン(以下、略マン)には、みんな「自由」になりに行くんだけど、
行く前からそんな自由になり過ぎてどうする!(恫喝みたいな)

しかもいつもは仕事休めないからって、土日以外に3日休んで、ムリムリ5泊6日
(移動に3日、現地に2日)で行ってて、
でも今年は、最早跡に残す花無し!(意味不明)と、ムダに長く、11泊12日で
行っちゃうのだ!
一週間期間中全日マンに行けちゃう!って事で日本での旅前の私は鼻息も荒くダイブ興奮。
仔犬なら嬉ション垂れ流し状態。
意味なく毎日神棚に柏手をすげー激しく打ったりしてた。


そして到着、マン。
夜にインしたんだけど、真っ暗の中、遠くの砂漠にオブジェのネオンバリバリが点々と
ついていてソレがまた非常に幻想的で、何年もみてるクセに相変わらず
「この世の果て」に来ちゃったなぁと呆然。

そのまま夜散歩。
普通に全裸の人が焚き火にあたっていた。
寒いもんね。
1年ぶりに、通常仕様としての全裸の人を見てちょっとびっくりする自分。

まず爆音巨大クラブで一踊り。マンに来たなー!

しばらく進むと、さっきの全裸の人がまた別の焚き火にあたっていた。
おっ、さっきの人じゃん。焚き火好きだなー!

そして中身がキラキラ多面体ボックスのサイケデリックスアートオブジェの内部に
入らせてもらって、箱をびょんびょん上下させてもらう。内部ではもう
キラキラ大回転でペカペカ目眩。

フラフラになりながらまた歩くとさっきの全裸の人がまた別の焚き火にあたっていた。
ああ、全裸が寒みーから中々キャンプ帰れねーんだ!(でもちょっとづつ進んでる)
日が暮れて寒くなるの忘れる位、楽しかったんだな!
良かったな!でもお前バカだろ!
バカの祝福として突然のハグ。いい街だ!


会場中央のマン下では、今年はイベントをやっていて、
各国のバーニングマン代表が参加していたんだけど、日本は「ジャパンスーク」として
「漢字道場」をやっていた。
「狂」とか「踊」を書かせていて、その間違えた日本文化代表セレクトに笑った。


そして街には目のイってるニャンコアートカーが走り、巨大な羽のトサカのどっかの
部族みたいな人が歩き、砂漠でアイスクリームを配るキャンプがあり、
そして夜空にはミルキーウェイ。
相変わらず全てが現実離れしていて、意味なく盗んだバイクで走り出したくなったり。


夜にはあるアートオブジェのイッコを大きく燃やしていて、その周囲を全裸の集団が
奇声を上げて走り回っていて、でもその真後ろでラブリーなメリーゴーランドが
のんきな音楽をかけて軽快に回転していて、しかも花火もめでたくバンバンあがってて、
前後の風景の狂気の差異のあまりのステキさに、目が完全にうつろなまま私も
メリーゴーランドに飛び乗る。(ココロのBGMは何故か地上の星)


あと今年は砂漠会場の小さいアートキャンプまでホントくまなく回ったんだけど、
「GEIASYAHAUSE」って銘打たれたクーラー休憩キャンプとか、
抹茶を正式にたててくれるトコロとか、本気合気道道場とか、
鯉のぼりとか、鳥居とか、提灯とか、着物とか、あと禅思想とか、
とうとう全身本気「お遍路」のコスチュームの人とか、
(もちろんアメリカ人。衣装、どうやって手にいれたんだろう?)

マンでアメリカ人なのにわざわざ日本アートをセレクトしてくれて、
また「日本大好き!」「日本行った事あるよ!」口に出して何十人にも言われて、
10年前、初めてマンに来た時も思ったけど、こんなに愛してくれて、私は本当に
ビックリしたんだよ?
西海岸のみんな、ホント日本を超愛してくれてありがとう!私はとっても嬉しいです!


でもでもね、今年のマンバーンはショボかった。
マンバーンでは、細長いオブジェ炎が延々燃えて、ずーっとずーっと、ただ
チョボチョボ燃えてて、大きく陥落とかも全然しなくて、
一応ゆっくり崩れ落ちたりはしたんだけど、でも今回、マン初心者の人が
多かったらしく、みんな静かにじっと佇んでただけで、
いつもの激しい凄い「熱量」とか、また一斉の奇声とかも全然無くて、
周囲のアートカーも全然盛り上がらなくて、
何かもう私は即キャンプに帰って寝た。

でも翌日のテンプルバーンは相変わらず美しかったよ。
私はテンプルが燃え終わっても、
ずっとずっと残る小さな炎を嬉しく見てた。

私は、マン全部の中で、テンプルが一番好きだ。
巨大テンプル内部ではみんな祈ってる。
本気で本気で祈ってる。
その風景が好きだ。

でも普通にマンに来るみんなは多分みんなただ大騒ぎって言うか、悪ふざけ出来る
イベントって思ってる人が多いと思う。
ちんこアートカーとか、おっぱいケーキとか、普通に全力でふざけてるし。
でもソレはソレで正しいと思うし。
私とあなたのマンは、違うんだ。でも、ソレでイイのだ。マンはマンなのだ。

あと、そう、私は、マンに来る日本人が好きだ。

何か知らんが、みんな、どこかで、「神様みたいな何かを」ひそかに祈ってる。
別にクチには出さないけど、普通に、凄い普通に、凄い当たり前な思想で、「平和」を
願ってる。
マンの何かに惹かれて、またきっと、マガリのマンのサイトの何かに惹かれて、
そうしてマンに日本人はやって来るんだろうけど、
でも、私はマンに来る日本人がホント大好きなんだ。


でも日本は、常識非常識、会社組織、学校ルール、世間からの評価、親からの声。
イロイロ、
苦しい。

でも、今回のマンで、私は、「もっと自由に生きよう」。
そう、思えた。
もっと自由に生きていいんだ。
だって本来、私達はとっても自由な存在なのだから。

だから、どうか、
あなたも。

ああ、どうか、神様、来年、再来年、今年来れなかった誰かが、マンに来れますように。
マンに、来れますように。
そして、もっと自由になりますように。
どうか、神様。

ねえ?神様?


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