ヒロシマ:01


「月がとっても青いから〜遠回りして歩〜こう♪」流行歌を歌いながら歩く少女3人。
道端の花の蜜を吸いながら。
「蜜、美味しー」
「美味しーよね」

「ねえねえ、今さらだけど、桜は健二さんが好きなんでしょう?」
「な・・・何を言ってるの?そんな訳ないじゃない!」
「またまた〜バレバレだよ」
「健二さんの前ではいつも真っ赤になってるじゃん!
「今日もあ〜これ本人には伝わってるんだろうな〜。って見てたんだよ?」
「じゃ、じゃあ、2人は誰が好きなの?」
「す・・・好きな人なんていないもん!」
「私も好きな人なんていないもーん。」
「そんなのズルイ!」
きゃっきゃ。ころころ笑いながら三差路に着く3人。
「また明日―」
「また明日―」

洗濯物(シーツ)を庭先に干すお母さん。
トラックの下に潜り込んで、足だけ出して修理をする修理工のお父さん。

平和なヒロシマの日常は、翌日の朝、一瞬で奪われた。



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