ペルー:4 「格闘技と乗馬で死にそうになる」


おわーあのウエイトレスさんキレイだなー。・・・つか違う!男だ!オカマだ!
ペルーにもオカマはいるんだ!と道すがら発見してウレしくなって、そんな
理由で吸い寄せられるように入った安食堂で、南アフリカ産アメリカ人と、
メキシコ人と、オランダ人2人組とで「世界で一番強い格闘技は何」という
ハナシになる。

空手だ。いやタイのキックボクシングだ。とかモメつつ、私は「日本には気功
という、武器や手を使わずエネルギーで相手を倒す武術がある。」と言おうと
するも、英語で上手く説明出来ず歯がゆい。

そのウチにハナシがエキサイトしてきて、オランダ人の片割れが「オレは
オランダでオランダ人の先生に<沖縄空手>を4年習った。しかも7段。」
とか言い出して、沖縄空手の紋章まで紙ナプキンに書き出して、
(ていうか沖縄空手って何だよ!そんなのあるのかよ!)
ヤバい。ケンカになる。とか思って「お腹が痛い。」とか空気を変えると、
コーラの消費量世界1位のメキシコから来たメキシコ人が「コーラを飲め。
コーラを飲めば治る。コーラは万能薬だ。」とか相当本気で言い出して大量の
コーラを飲まされそうになって焦る。

しかも良く見るとオランダ人2人組はお揃いのバックパックを担いで、お揃いの
ズボンを履いていて、何気にゲイカップルだと気づいてムダにドギマギする。

その後、その安食堂のトイレに入ると、内側に引く扉なのに内側に取っ手は
付いてなくて、閉じ込められた状態になったり、
ウエイトレスさんに食事の代金を手渡しても中々お釣りがかえってこないな。
とか思っていたらキャッシャーのヒトは仕事中なのにアタマをぐりんぐりん
回して寝てたりして、ペルーの適当さ加減に笑う。



午後は、馬に乗ってパカパカ遺跡巡り。
馬、超怖えー。とか超へっぴり腰で15分も乗っていると、いつしか私は
騎手と言う職業を選ぶべきだったのでは無いか。と錯覚をする程に上手く
乗れるようになる。当然、馬に情が沸いてくる。

「お前は本当にカワイイなぁー。」「ウチのコが一番!」
「あっ上り坂だ。頑張れー。よーし良く頑張ったね。偉いぞー。」とか
ムツゴロウ全開で馬に話しかけながらタテガミの横の、柔らかい皮膚を撫で続ける。
ナデナデナデナデ。

5人パーティーの遺跡散策。リーダーの馬が先頭を闊歩する。
あんまりしつこくナデナデと溺愛していたら、ウチのコが勢いづいて先頭に
しゃしゃり出ようとする。でもいざ先頭に立つと、周りとかキョロキョロ
しちゃって超落ち着きが無くなって、馬のクセの挙動不審気味。
そんな不安になるなら先頭に行こうとするなよ!

しかもムダに調子乗ってやけに好戦的になって他の馬を噛んだり蹴ったりし出す。
それでも「ウチのコは本当にバカなんだからー。」とかナデナデしていたら
他の参加者に「そういう時は叱らないとダメ。」とか注意を受ける。

私は自分の子供が生まれたら超溺愛して、超過保護の親になりそう。
気をつけなくちゃ!
乗馬で子育てのノウハウを学ぶ。


下馬して遺跡をテクテク歩いていると雨が降ってきて、しばらくすると雨は
大粒の白いヒョウに変わる。

慌てて遺跡の大きな岩の下で雨宿り。
遅れて鼻のアタマに土をつけたハダシの土産物売りの少女も飛び込んで来る。

空から降ってくる沢山の大きな白い白い球体は地表にぶつかって再度、
空中へ飛び上がる!ぶつかっては飛び上がる。ぶつかっては飛び上がる。
跳ねる。跳ねるよ。

ソレはソレはまるでヒョウのダンス!
ステージが終わるまで二人して「寒いね。」なんてくっつく。


乗馬後、街の小高い丘の上に建つ、街を包み込むように両手を大きく広げた
イエス像と一緒に街を見下ろす。

時は夕刻。街中にヒトツヒトツ増えてゆくやまぶき色の灯り。
折りしも期日は12月22日、クリスマスイヴイヴイヴ!

メリークリスマスメリークリスマス。旅の全てに、感謝。
そして全てのヒトが平等にシアワセになりますように!

メリークリスマス!メリークリスマス!!メリークリスマス!!!



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