オーストラリア「奇声と野宿とゲイで死にそうになる」


オーストラリア空港の到着ロビーで、帰国した男性が待ち構えていた母親らしき人にほっぺに喜びの
チュウをされて本気でイヤがってる様子を偶然見る。

思春期の年頃の子供を持つと大変ですなぁと、オーストラリアに来てすぐ
いきなりダイブほっこりする。

また空港内通路では旅に興奮した一人のちびっ子が奇声をあげながら
転がりまくっていて、どの国でも子供は狂ってる
と再認識。

空港内でシティへ出る前に腹ごしらえをしようと入ったファーストフード店では、褐色の肌の男性店員と、
頭からすっぽり布を被ったムスリムらしき女性が働いていて、突然異国に来た気持ち満載。


そして空港を出て、アボリジニアートが多数展示されていると言うニュー・サウス・ウェールズ州立美術館へ。
独自文化を持つ、アメリカの先住民族ホピ族やナバホ族、
また日本の先住民族アイヌ民族同様、オーストラリア
先住民族アボリジニに超興味がある。


実際、オーストラリア政府から土地を追われて仕事も奪われて、迫害されて誇りも自尊心を失わされて、
ドラッグやアルコールにおぼれているアボリジニも多いらしい。

でも大人になるために砂漠をたった一人で旅する儀式「ビジョンクエスト」とか、また木管楽器
「ディジュリドゥ」は子宮の音がするし、とにかくアボリジニ独自の文化には超心奪われる。

いつかリアル☆アボリジニと会って、思想とか信仰とかの話をしてみたいなぁと超思う。


でもそのアボリジニアートで有名なニュー・サウス・ウェールズ州立美術館までの道順なんだけど、
もちろんオーストラリアのガイドブックは無いし、
相変わらず事前に何も調べてないので、

人に聞きつつ聞きつつ公共交通機関を乗り継ぎ乗り継ぎ向かわなきゃいけない。

でも、まあ、街中で「地球の歩き方」とか広げてるような初心者じみた行為はもうずっと昔に卒業して
何年も旅してるし、昨日の韓国でもスグにどうにかなったし、つーか
もうダイブ旅慣れてるつもりだし、まあどうにかなるだろう!


勢い勇んで先をゆく!
しかしながら、コレがどうやら聞く人聞く人、間違った答えをくれてたみたいで、
バスに何度も乗らされて、しかも何故か大学に着いたり、
病院に着いたりして、
目的の美術館に全然辿り着けない。


そうしてるウチに空港を出て既に3時間経過。ダイブ泣きがはいる。

・・・くそう!やっぱり道順位調べておくべきだった!こんなにムダに時間かかって何してるんだ私!
全然辿りつけないし、ダイブ旅慣れたつもりでいたけど、全然ウソじゃん!
全然ダメじゃん!むしろ超カスカスっ子じゃん!


疲労もあって、マジに相当にヘコむ。
ああー・・・この程度のミッションも乗り越えられなくて、ホント私、超ダメ人間。

この後の旅、大丈夫なのかな?ダメ過ぎてもう日本帰りたい。家で何もせず
ひっそりとまんが読んでたい・・・。

つーかホント何やってるんだろう。私・・・。

と言うか・・・くそう、歩きながら超ニコヤカに笑ってるカップルとかいるよ。
嬉しそうなヤツ、超憎いな。


超やさぐれて、むしろ不幸の呪詛をかけそうになっている
自分に気がついたので、休憩をとるために一旦その辺の公園に。


公園内ではお揃いのワンコTシャツを着た体育会系女子高生集団がランニング中。
ウチの一人が何の意味があるのか、頭にビニールの
シャワーキャップを被っていて
大変微笑ましい。

また一人の男前男子が、公園を歩きながら明らかに誰かから見られている前提で、
こう小首をかしげて長髪をふぁさーとかきあげていて、ああ、ナルシストは
世界中どの国にもいるのだな
とほっこり。


そんな風に公園に癒されているウチに、体力も精神力も戻ってきた!

さっきはきっと美術館の正式名称だけメモして人に見せてたから、間違えられたんだ!
今度は住所も記載して、また人に聞きつつ聞きつつ探そう!

何とかもう少し踏ん張ってみるぞ!


そうしてまた人に聞きつつ、ガツガツと歩く!
そんなコトを繰り返してるウチに神に願いが通じたのか、
奇跡的に
目的の美術館に辿りつく!

おー!!!すげえ!どうにか着いたよ!すげーな!超嬉しい!!!やれば出来るじゃん!私!!!


そして感動のまま入ったその美術館では、イッコだけ凄まじいアボリジニ絵画とかあって超ビビる。
魂、超入ってた。

私も旅まんが家として少しは絵を描くから、こういう絵が描けたらなぁと思う。
どうしたらこういう絵が描けるんだろう?
私ももっと鬼気迫るモノが描きたいんだけどなぁ!


あと他に展示されていた現代アートで一点、明らかに病気系の絵とかあって、
こういうトコロで評価されるよりも病気を治す方が先なんじゃないかと。

またムダに広い、日本文化展示コーナー(日本がこんなトコロでそんなにフューチャーされてて
マジで驚いた!)では刀や着物、土器や印籠まであって超笑う。


そうして、辿りついた満足感と、沢山絵を見た充実感を抱えた私は美術館を出て空港へ向かう。


そして超驚く事に、美術館から空港までは電車で
30分位で即!到着する。


・・・って、アレ、空港から美術館まで電車で30分?

行きの私の血の涙の乗り継ぎバス3時間は何!?
つーか何だソレ!?超訳わかんねえ!イヤ、マジ何で30分で着くの?

私、運命とか大いなる何かに嫌がらせされてる?


ドコに怒りをぶつけて良いのかわからない憤りをムダに感じつつ、電車内でふとポッケに手をいれると、
日本から持ってきていた携帯電話i-phoneをどこかで紛失した事に気づく。

えっ!?うわ!全然気がつかなかった!いつ無くした!?韓国?オーストラリア?
でも日本国内ならまだしも、絶対戻って来ねえじゃん!うわ!アドレスとメールデータ、
全然バックアップとかとってない・・・。

今日何度目かの自分最大級の絶望が、再度光臨する。うわー・・・。


しかも美術館でのんびりし過ぎたらしくて、帰りの移動が早かった割には、
空港の航空会社カウンターで、今日の便には受付時間を過ぎていて、
もう乗れない、明日の便に振り替えだと告げられる。



え?は?
マジですか?

超チカラが抜けて身体がマブでぐんにゃりする。何だソレ、確かに出発時間ちょっと
なめてたけど、
マジで乗れないと思わなかった・・・。

しかし搭乗時間ギリギリでマイクで呼び出されるとか、ゲート内をテレポート
出来そうな位全力疾走した事とかあるけど、

実際に航空機に乗り遅れるって、私の10年以上のバックパッカー生活で初めてだよ!

相当落ち込む。相当自分がイヤになる。むしろ超死にたくなる。
自暴自棄し過ぎて、むしろ暴力的なキモチになる。

くそう!ココで暴れてやろうか!

しかし何でこんな事になるの?私、何かした?
つーか、コレ、何かの罰?

美術館に行くすがらの、間違いルートを教えたヤツらに逆恨みのキモチにすらなる。


あーあーあー。むしろ唸る。あーうーうー。むしろ弱る。
今なら絶望し過ぎてヘコみ過ぎて、結婚詐欺師の偽の優しさにでも
ひっかかりそう。



あーあ。チクショウ。やっちゃった。やっちゃったよー。旅の日程がいきなり狂ったよ。
あーもうどうしよう。でももうもうお金ももったいないし、観光も控えて、もうこのまま空港で
明日の出発まで時間を潰そう。

しかもバックパッカー宿とかも高いから、この際、空港で野宿だ。
時間あるし、サイトの更新でもしよう。


とにかく超ヘコたれつつ、何とか空港内のはじっこの人のいないベンチで休む。
落ち込みから中々復活出来ないまま、ボソボソとサイトの更新をしているとドイツ人女子に話しかけられる。


「もう夜遅いけど、あなたもしかして今夜は空港で夜を明かすの?私もなの!じゃあ一緒にこのベンチで
朝まで休んでイイ?」って。

わっ!イッコ前の旅日記でこの旅は外国人といっぱい友達になるぞ!いっぱい話しかけるぞ!って
決意したんけど、向こうから話しかけてもらえた!


焦ってサイト更新の手をとめる。お互いの旅話とかしながら、カタコトながら、i-phoneを紛失した事、
飛行機に乗り遅れた事を話す。

うん。実際、話す、誰かと一緒にいる、ソレだけの事でダイブ、救われた。

そうだよなー。i-phone紛失とか、飛行機もそうだけど、何かを得る時には
何かを失うって言うし、


そういうタイミングなのかもなー。そういう風に思えるまで復活させてくれてホント有難う!
とにかく彼女の存在に超助けられた。超元気もらった。有難いな。話かけてくれて超サンキュー!


そしてベンチには一席一席手すりがついていて、横にはなれない仕組みになっていたので、
二人ベンチ前の地べたで横になる。

反転。何か嬉しい。変に、おお、旅だなーって思う。そして朝まで二人並んで眠る!おやすみなさい!


そうしてそうして、だらしなくヨダレを垂らしたままハッと朝をむかえる。名残惜しくドイツ人と別れる。
大きなハグ。
日も改まったし、空港内の無料インターネットで日本のラブリーにメールをしよう。

そう、今回の旅、私は日本にラブリーをおいてきているのだ。
旅出るの許してくれて有難うね。でもさみしくさせてごめんね。時々電話するからね。毎日メールもするね。

今回、電気の無い村とかにも行く予定で、ソコからはさすがに連絡出来ないけど、でも私、頑張って帰国時には
もっとあなたが自慢出来るイイ女になるからね!


そういう想いを抱えて、旅先からメールするんだ。
そう、毎日メールする、ソレが私なりの、愛の証。

妄想じみてるし、賞味そんなの聞かされても
キモチ悪いかもだけど、
頑張るんだ。


空港内無料PCは英語圏で日本語入力が出来ないから、ローマ字で打つ。
「aishiteru」。

メールの最後には、オーストラリア人が別れ際にたまに言う「enjoy!」。
送信ボタンを押してため息をヒトツ。


うん。そう。前は自分は旅人だし、だから旅路の途中で
死ぬのもイイかな?とか思っていたけど、


でも今は待たせてる人がいるから絶対死ねない。
無事に帰国しなきゃいけない。頑張らなきゃな!


そんな感傷的なキモチでPCを終えた私の目の前を、突然超クネクネ歩く
ゲイ丸出しのお兄ちゃんが通りかかる。
こんなトコロにもゲイが!と弱冠ビビる。

空港にいるって事は、あの人も海外とか行くのかな。ドコに行くんだろう。
やっぱり各国のハッテン場かな。

でも・・・あの人にも愛し愛される人がいるのかな?

だとしたら、偏見凄いだろうけど、どうかお幸せに。
祈るようなキモチで、彼の後ろ姿を見送る。


そうして沢山の時間の時間を過ごしたオーストラリアを離れ、飛行機は次の目的地へ向けて飛び立つ。
でも何故か夜間、機内が異常に寒くなる。
我慢してムリヤリ寝る。でも死にそうに寒い。何コレ?何の試練?精神と時の部屋?

結局、生まれたての小鹿にようにブルブルと震えながら
朝までだましだまし時間を過ごす。

しかし泣きたいとか嬉しいとか死にたいとか愛してるとか、
1日にイロイロあり過ぎだろ!

感情のアップダウンが異常に激しい旅してます。そのウチ気が狂って死にます。
ホントに死ななきゃイイけどね!!!!あああ!!!旅です!!!!!!!



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