風に「頑張れ」って
言われたみたいで、
世界一周 旅女子

スペイン:3「泥棒の被害に遭って死にそうになる:中盤」


さて時間は21時。盗難が遭って、マネージャーに連絡したのが19時。
そろそろマネージャーも来ても良い頃だろう。

寝ているマサミちゃんの代わりにフロントのお姉さんに聞いてみる。
マネージャーは忙しいと。まだ来て無いと。
そうだよね。マネージャーだもんね。忙しいよね。でもまあそのウチ来るだろ。
ちょっと心配だけど・・・。

そして22時。再度聞いてみる。でもまだマネージャーから連絡は無いと。

23時。ヒロミちゃんが起きて来た。再度一緒にフロントへ。すると明日の11時に
マネージャーは来ると連絡があったと。

は?明日?
防犯カメラで犯人見つけて
明日のチェックアウト時に
フロントで犯人捕まえるんじゃないの!?

でもスペインはスペインのやり方があるのかな?
きっと何か考えがあるのだろう?
良くわからないけど、きっとそうだろう。

でも日本でこういう事あったら、
他の仕事おいてでも、スグ
来てくれるんだろうけどなぁ。

何なんだろう。訳わからん。
マサミちゃんも今日来てくれると思っていただけにダイブ動揺。

でもマネージャー、明日じゃなくて
今日来れないの?
フロントのお姉さんに詰め寄ってみる。

もう今日は遅いと。どうにもならないと。フロントのお姉さん。

イヤ、でもソレおかしくねえ?
犯人、絶対この宿に泊まっているのに。
今日、防犯カメラ見ないでどうするんだよ!

でもフロントのお姉さんも困り顔。
マサミちゃんはもうおびえていて「明日なら明日でイイ。大丈夫だから」と言う。
完全に気が動転している。ココは私が
しっかりしなきゃ!

マネージャー、今日来るように言って!!!

ダイブ強く言う。別のフロントスタッフが出てくる。でもマネージャーは
明日来るって約束してくれたから。大丈夫だから。
何が大丈夫なんだよ!!!!

マサミちゃん、本当に
困っているんだから!

防犯カメラ早く見せてよ!マネージャー
来なくて良いから、防犯カメラだけ
早く見せて!

マネーベルト戻って来なかったら
どうしてくれるの?!

宿のラウンジにいた他の宿泊客も声を荒げる私に、
どうしたのかとのぞいてくる。

ケイコさん!もうイイから!
私は大丈夫だから!マネージャー
明日来るなら明日でイイから!

マサミちゃんが私を制止する。

でもマネーベルト戻って来ないかも
知れないよ!?興奮した私が言う。

きっと戻ってくるから!信じてるから!
大丈夫だから!だからケイコさん、
そんな事しなくて良いから!

マサミちゃんがそう言うなら・・・。
スタッフは「ソーリー」と。

マサミちゃんは私を落ち着かせようとしてる。
マサミちゃんの方が本当は
ツライのに。こんな風になってごめんね。

とりあえず夜はもう遅い。
私は、犯人は足がつかないように、宿の外のゴミ箱に現金以外
もう捨てちゃってるんだろうなぁと思うと、もう全然眠れない。

全然眠れなくて朝。
マサミちゃんはマネーベルトはどうなるかわからないけど、もうコレ以上、
この町にいたくない。スペインにいたくないと。

とりあえずパスポートの再発行のために、スペインの日本領事館に電話してみよう。
宿のネットでチェック。

日本領事館の開く9時に宿の電話を借りて、即電話。
日本領事館までの交通経路を聞く。マサミちゃんは言う。

「とりあえず今から日本領事館に行ってきます、ソレでマネージャーの来る
11時までに戻って来ます」

「一緒に・・・行こうか?」私が言うと、マサミちゃんの顔がぱっと輝く。
「本当ですか?お願いします!!!!」


2人で日本領事館へ。
「こんにちわ!電話をした者です!宿でパスポートと現金とトラベラーズ
チェックとクレジットカードを盗られたかも知れなくて・・・。
もう手持ちのお金も無くて・・・1か月の旅の予定でしたけど、
もう帰国するしか無いかなって思ってて・・・」
「でもね、クレジットカードがあるなら、緊急支援って言うのがあるわよ。
盗難に遭った場合、海外用緊急クレジットカードを発行してもらえたり、
お金を郵送してもらえたりする手段よ。でも・・・そんな事しなくても、
トラベラーズチェックを再発行した方が早いんじゃないかしら?」

「トラベラーズチェックの番号は日本に帰らないとわからないんです」
「じゃあご両親にトラベラーズチェックの番号を見てもらうとか」
「両親に迷惑はかけたくないんです。盗難に遭った事、内諸にしておきたくて。
自分で何とかします。親には頼りたくない!」

おっ!意外と強いじゃん!やるじゃん!ちょっと驚く私。

「緊急支援ってどうすればイイですか?」
「ソレはクレジットカード会社毎に違うから、聞いてみなきゃわからないわ」

ところで時間は現在10時。宿にマネージャーが来るのは11時だ。
「すいません。一旦、宿に帰ろうと思うんですが・・・」

「うーん。この窓口は9時ー13時で、午後はシエスタがあって15時ー16時なの。
今手続きをやっておかないと、申請が延びて再発行が遅れるわよ。どうする?」

「えっ?うーん。うんと・・・。そう。うん、もうイイです。防犯カメラ見ても
今更多分遅いですよ。私、今日ココでパスポートの申請して、明日再発行してもらえる
みたいだから、明日、この町を出ます。もう怖いから日本帰ろうとかと思ったけど、
でも・・・私、頑張って旅を続けます!!!!」

そうか!頑張るんだね!エライ!

そして警察に行くために領事館を出るマサミちゃん。心配なので私もついてゆく。


そして警察着。
こういうトコロに来るのは初めての事らしく、異常に緊張しているマサミちゃん。
「大丈夫かな。言葉通じるかな。何とかしてくれるかな」

私が先陣切って言う。「こんにちわ!宿でコレコレこういう事があって・・・」
「オッケー。わかったわ。この被害証明書に記載してちょうだい」と
日本語の被害証明書見本をくれる。

日本語の被害証明書見本が!きっと日本人、
いっぱい被害に遭ってるん
だろうなぁ・・・。

名前、日本の住所、被害内容、様々な事をアルファベットで記載して、提出すると、
しばらく待たされてサインとスタンプを押された被害証明書のコピーをくれる。
おー!スグ発行してもらえたね!良かったね!

そして領事館に戻る。証明写真とポリスレターを提出。
明日には新しいパスポートが再発行だ。お礼を言って宿に戻る。

さあ、宿に着いたら防犯カメラを見よう!
何か映ってるとイイねと、マサミちゃんと顔を見あわせて、
手を、ギュッと握る。


そして宿に戻る。
でも宿戻りは16時だったので、もうマネージャーはいなかった。

スタッフの案内で防犯ビデオを見る。
画像がマサミちゃんのチェックイン時間の17時くらいにまとめてくれてる。
スタッフと一緒に見る。

あっ!マサミちゃんのチェックインの画像!フロントの人に挨拶!
料金説明を受けて、料金を払う。そしてパスポートチェック。
バッグからマネーベルトを出して、中からパスポートを出す。

フロントのお姉さん、パスポートをチェック。しばらくパスポートナンバーを
宿帳に記載。そしてパスポートをマサミちゃんにも戻す。マサミちゃんはパスパートを
マネーベルトに戻す。

そして、マサミちゃんマネーベルトを
バッグの中に戻してた・・・!

「え?あれ?どういう事・・・?」私が言う。
「うん。昨日から考えていたんだけどね、フロントはお姉さんが見張っているし、
もしフロントで忘れたら戻ってくると思うんだよね。

きっとその後行ったトイレに、
マネーベルト忘れてきたんだと思う。

部屋に置いとくと危ないからって、マネーベルト、バッグから出して
手に持ってトイレに行ったんだけど、裏目に出たよ・・・」

さすがにトイレからの出入り口の防犯カメラは無い。
フロントのお姉さんが申し訳なさそうに言う。

「チカラになれなくて本当に
ごめんなさい。でもね、人生は
悪い事があれば、良い事もあるのよ。

ソレにね、この事があって、あなたは
もっと強くなれるわよ。きっと
良い旅になるわよ。頑張って!!!!」

お姉さんの言葉に、マサミちゃんまた泣きそう。
「お姉さん、優しいですね。私、とっても嬉しいです」
涙目で答えるマサミちゃん。お姉さんはとっても優しい笑顔でにっこり。


そして宿の電話を借りてクレジットカード会社に電話。
もうカードも絶対出てこないので、まずカード停止をしてもらって再発行。

そして1社は「キャッシング枠の20万円を、現金で現地通貨でスペインは
バルセロナのwestern union銀行まで来て頂けたらお渡しする事が出来ます」との事。
そして2社目は「スペインのバルセロナの宿あてに緊急支援の
クレジットカードを送ります」との事。

やった!!!!!!!!!!カードが2枚あれば、旅相当大丈夫そう!

「コレも経験だから。きっと良い思い出になるよ。とにかく命が
とられなかっただけ良かったんだよ」私が言う。
「うん、私、良い旅するよ!!」マサミちゃんが言う。

そーこなくっちゃ!!!
マサミちゃんもようやく本気元気が出てきた模様。良かったーって心底思う。
昨日、この宿に泊まって良かった!マサミちゃんをちょっとでも助けれて良かった!
つーかスペイン語、ちょっとでも出来て本当に良かった!ソレだけはマブ良かった!

今までの旅で私は本当に世界中の人に
助けてもらってる。
本当に、本当に、ほんのちょびっとだけど、
私は誰かに何かを返せたかな?

マサミちゃんは笑顔で、私はソレがとっても嬉しい。



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