帰国2年後の、少し長い旅。


ソレは、警察に拘束されそうになったり、入国拒否されかかったり、政治的デモに巻き込まれそうになったり、
トラブル満載ハプニング全開な、でも強烈に楽しい旅だった!


まずはサンフランシスコから車で11時間北上して、数万人が一週間かけて大騒ぎする、砂漠のお祭り
「バーニングマン」に参加!
砂嵐舞う、ただっ広い砂漠に点在する不思議なオブジェ群。理解不能なカッコをした人達による奇妙な
パフォーマンス。日射病間違いなしの灼熱ギラギラ太陽。最終日には巨大オブジェが火事のごとく燃える。
全てが意味不明ながらも、何故だか無理やり自己解放させられる。子供に戻って笑顔全開!
夏のMY恒例行事として今年で4回目の参加だけど、来年も絶対行くぜ!

ちなみに何気にシャーマンに会う率が異常に高いこのお祭り。今年も能力者との良い出逢いがあり、
軽いセッションをしてもらう。その余りの凄さに「その技術はドコで身につけたんだ。ナバホか。ホピか。」と
尋ねると、真顔で「月からの導きで学んだ」とか言われたり。ゴメン。このおっさん、マジだ・・・!


ソコで親しくなった0歳児を連れたアメリカ人ママとロサンゼルスまでロングドライブ。
運転と子育てのダブル疲労で早朝、公園の砂場で私とママとベイビーと3人で寝袋にくるまって仮眠。
すると散歩中の誰かが、公園で「浮浪者」が子育てしてる。ってコトで子供保護センターみたいなトコロに
連絡したらしく、ソコ経由でポリスが5人も来ちゃって事情徴収。
危うくアメリカで留置所生活を経験するトコロでした。
でもわざわざ通報してくれる人がいるなんて、アメリカもまだまだ捨てたモンじゃないね。イイ国だね。

また今回「何も知らない方が面白いかも!」と事前の下調べやガイドブック等の準備を一切しないで
いたら、ロサンゼルスからメキシコ入国の為の乗り継ぎヒューストンの空港で、
「アナタはメキシコビザが無いからメキシコ行きの飛行機に乗れない。アメリカ国内にあるメキシコ大使館に
行ってビザを取ってからまた来なさい」とか言われる。
つーか事前に何も調べてねーんだから、ビザ必要とか知る訳ねーじゃん!何言ってんだ!とか、
逆ギレ以外何者でもないコトを密かに思いつつ、とりあえず頭を抱え、いかにも「オーマイゴットォ〜」って
言わんばかりのすげー困った顔をしてたら、搭乗時間ギリギリだったので何とか乗せてくれるコトに。


そしてメキシコに到着。ビザ無いし、マジで何とか誤魔化して入国出来ないかと、1番やる気のなさそうな
イミグレーション係員を選んでドキュメントとパスポートを提出。あっさり通してくれる。
しかも「お前はジュジュだろ?」とか全くもって意味不明のコトを大喜びで言われる。
「違う。ジュジュじゃない。私はユーコだ」と返すも「ジュジュだ!ジュジュだ!」とおっさんはムダに大興奮。

どーでもイイけど、イミグレでこんだけ意味不明で楽しいなら、メキシコは良い国そうだなぁ。
良い旅になりそうだなぁ。でも結局ジュジュってどーいう意味なの?名前?
ちなみに後で調べたら90日以内の観光なら、日本人は別にビザは必要無いとのコト。じゃあ別に全然問題
ねーじゃねーか!何なんだよヒューストンの空港職員!


ちなみに今回のメキシコ目的は「ウアウトラ」って田舎町に行くコト。
早速、空港インフォメーションで「ウアウトラ行きのバスはないか?」と尋ねると、普通に「無い」とか言われ、
「じゃあメキシコシティの中心部に行くバスは?」と尋ねると、「ソレも無いからタクシーに乗れ」とか言わる。
空港からダイレクトに田舎町に行くバスは無いとして、この街の中心部に行くバスまで無い訳ねーじゃん。
じゃあ街のヒトはどーやって空港まで来んだよ。みんながみんなタクシー乗る訳じゃねえだろ。

でもインフォメーションの別のスタッフに聞いても、空港職員に聞いても、旅行代理店のスタッフに
聞いても、「バスは無い。タクシーに乗れ」とか言われる。
とりあえず重いバックパックを抱えて空港施設内を2〜3時間ムダにウロウロと彷徨っていると、
空港ポリスに「地下鉄ならあっちだが」とか言われる。
バスは無いけど地下鉄ならあるのかよ!!つーか空港内に地下鉄案内表示なんて無かったぞ!


ムダにカッコ良いオレンジ車体の地下鉄に乗ってバスターミナルへ。ウアウトラ行きの1日2便の
夜行バスを予約。時間もあるし街の中心部にでも行こうと、ヒトの良さそうなオバちゃんに
「セントロ(街の中心部)はドコ?」と聞く。自分も行くからと地下鉄で一緒に行ってくれるコトに。

連れられて行ったセントロでは観光案内所を偶然発見。「国立博物館」がオススメだと聞き速攻行く。

館内では運良くスペシャルイベント開催中。民族衣装を着た沢山の人達が伝統的なダンスを披露。
でも全員が激しく踊る中、異常にステップが遅れてる人や、揃いの振りについていけなくて最早
手拍子のみ参加になってる人もいて。また上半身裸に鶏のトサカみたいな羽帽子を被るどっかの
部族みたいなカッコの人から、全身ただの白い服なんて言う人数合わせっぽい人から、衣装も
みんなきちんと揃ってる訳でもなく超バラバラで。でもでもとにかく踊り子さんも見物人もその場に
いる全員が超ニコニコしてて、ハッピームード満点!素晴らしいですなあ!最高ですなあ!

しかも盛り上がり過ぎて、2組やるハズが1組目終了でイベント終了時間に。2組目は普通に中止。
すげえ!時間キッチリの日本だったら絶対考えられねえ!


そして居眠り運転臭い危なっかしい長距離バスに揺られ、山に囲まれた田舎町ウアウトラに向かう。
到着してスグ親しくなったメキシコ人の家に、何と何日か居候するコトに。メキシコ本気家庭料理を堪能。

またお祭り好きな南米では毎日街のどこかで小さなパーティーをやってて、しかも会場は広場や家だけ
じゃなくて普通に「路上」とかでもあって。手作り感満載の飾り付けに軽いご馳走に、バンド演奏。
笑顔で手を取り合って踊る。リアルメキシコ日常生活に触れた感じで、とっても興味深い日々。
でも長期間やっかいになるのは何となく気がひけたので、早めに安宿に移動。

2週間滞在するからと、宿泊費を半額に値切った安宿の1階はミニカルチャーセンター。ヤング達が毎日
19時から伝統的なダンスの練習に励む。みんなが毎日ちょっとづつ、上達してゆくのが面白い。
ダンスの先生は見た目その辺にいそうなおっさんなんだけど、動きのキレが素晴らしく、お尻もキュッと
締まってた。ムダに小尻だった。あと生徒の中に明らかに一人ゲイが混じってて、微笑ましかった。

また部屋には時計がなく、マイ時計も持ってなくて時間がわからなかったので、100均で売ってるような
小さい置時計を市場で買う。でも性能が良くなくて毎日時間が30分づつ早まっていった。ノォ〜。
昔、ブラジルで同じよな置時計を買った時、時刻を合わせてる段階で壊れたので、ソレよりはマシだけど。

更には数回行った定食屋では毎回「同じチキンのスープ」を頼むのに、おかわりしたい程オイシかったり、
体調悪くする程マズかったりと、何故か毎回味が違った。同じ店だろ!何でそんな味が違うんじゃ!
更には「カルビーポテトチップス」みたいな、大手メーカーが作ってる袋入りのチップスも良く食べたけど、
ソレすら毎回微妙に味が違った。既製品じゃないのかよ!工場で機械が作ってるんじゃないのかよ!


ちなみに大統領選があった2006年夏のメキシコ。
AさんとBさんが競ってて、初めはAさん優位な地域の開票。もちろんAさんが勝ってて。引き続き他地域の
開票をしたら、圧倒的にBさんの票ばかり。このまま開票を続ければBさんの勝利は間違いなくて。
ソコで焦ったAさんが「何かオレ負けそうだから、この時点で開票止め!オレの勝ち!」とかにしちゃって。

いやソレはおかしくねえ?ってコトで、現在メキシコは国をあげてデモとかやってる状態で。つーかそりゃ
確かにおかしーだろ!みんなデモ位やるだろ!国連とかクチ出ししてもイイレベルなんじゃねえの?ホント。

1日だけ滞在した首都のメキシコシティでは、デモ隊の沢山のテントで大通りが封鎖されてた。
政治的メッセージがテントに大きく掲げられててパッと見、超物々しかった。でも良く見るとテント張ってる
人達は普通にバーベキューやったり、カードゲームやったり、むしろちょっとイベントっぽかった。

メキシコ第二都市のオアハカでも、政治的建物に投石とかされて、もう大変なコトになってるって聞いた。
でも知り合いは、ソコ通ったけど、特別シリアスな感じはしなかったよ。なんて言ってた。何?どゆコト?
実際、国単位での大問題なんだけど、メキシコ人はソレすらちょっと楽しんでるぽくて、むしろ何かイイ。


またウアウトラ滞在中「独立記念日」のお祭りに運良く遭遇。溢れんばかりの数の屋台。
街中をパレードする鼓笛隊。広場では超大掛かりな式典が開催。
その式典で、例のデモ隊のグループの一人が演説。しかも超熱弁。スゲエ真剣な顔つきでみんな聞く。

ちなみにこの街(メキシコ全体?)の「葬式」は、親しかった人や近所の人が故人の”棺”を担いだまま
数十人単位で街を練り歩く。また管楽器と打楽器の楽団が葬列に添って大音響を響かせる。つか涙の
場である葬式なのに、楽団がドンドコドンドコピープーピープーいってるって、日本の常識から言ったら
超意味不明なんだけど。とにかくその演説の真っ最中に、広場隣の教会に葬列の一団が来ちゃって。

葬列の楽団の音でマイク音がかき消され、大変盛り上がっていたスピーチだけど普通に、中断。
でも葬列が教会に入った後、また何事もなかったかのように演説は続行されて。
大事な式典やるからかち合わないように葬列の時間ズラすとか、やれるハズなのに絶対やらねーのな!
カッチリ日本では考えられない状況に、超ビックリ。メキシコ、すげーなー。


ちなみにウアウトラはシャーマンから宗教儀式が受けれる。つーんで、その為に行った。
実際2週間で5人のシャーマンに会って、3回儀式を執り行ってもらった。すげーステキな人達だったし、
すげーステキな経験をしたけど、そのハナシはまたいつか。

そして最終日はメキシコシティに戻り、世界遺産の「ティオワカン遺跡」に行く。で、でけー何じゃこりゃ!
ティオワカン遺跡は「太陽」と「月」のフタツのピラミッドを抱える巨大遺跡。つーかピ、ピラミッドですよ!
古代の謎と不思議ですよ!世界不思議発見ですよ!ピラミッドパワーですよ!ハンドパワーですよ!
完全に挙動不審な様子で一人事をブツブツ言っちゃう位、凄かった!

またこの遺跡では、人間を生贄にする風習があったらしい(恐ろしい!)。でもせめて生贄になる人達が、
死への恐怖や、誰かに対する恨みとかではなく、捧げられる人間に選ばれたと言う誇らしさだったり、
またイロイロと大変な「この世」から、平穏な場所である「あの世」へゆけるという喜びだったり、
とにかくどうかどうか嬉しげなキモチでありますようにと、ピラミッドのてっぺんから少しだけ、祈る。



まあとにかく、とにかくとにかく、メキシコは適当な国だった。
国際的な窓口であるイミグレで訳のわからないコトを言われる。
国で1番権威ある国立博物館のイベントなのに、出演者のダンスと衣装が揃っていない。
国の方向性を決める大統領選もアバウト。デモだってちょっとお祭り感覚。
食堂のゴハンどころか、大手メーカーの既製品のお菓子ですら毎回味が違う。

何でも「キッチリカッチリ」の日本から見ると、そんなんでイイのかよ!ちゃんとしろよ!とか思うけど、
でもメキシコではソレが普通なのだ。

そう。「ちゃんとしなくちゃいけない」って言う鎖や、「ああじゃなきゃいけない」「こうでなきゃいけない」の
ルールから、逃げられなくてがんじがらめでちょっと息苦しい日本の毎日。
でも「そうじゃなくてもイイ」って言う場所が「ある」ってのを「リアルに見た」だけで、自分の中の「何か」が
ちょっとだけ広がる気が、する。
だからスグにどうって訳でもないけど、ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、私は今までより「自由」に、
なれる。そのほんの少しの分だけ、旅に出る前よりも「生きてくのがラク」に、なる。

ソレに今回はガイドブックを持たない旅だった。正直、おかげで見所を沢山見逃した。
何をするにも必要以上に時間がかかったし、何をするにも必要以上にお金がかかった。
でも旅は、出来たんだ。

そう。「ガイドブックが無くても<自分自身のチカラだけ>で旅は、出来る」その事実自体が私の内部で
自分なりの「自信」へとカタチを、変える。
そのほんの少しの自信の分だけ、私は旅に出る前よりも自分のコトを好きに、なる。
ソレだけでも、旅に出て良かったなぁ。なんて。



そして、帰る。大事な家族や友達や恋人の待つ私の、国へ。
刺激的な旅に比べて、日常は退屈で平坦で。でも穏やかで平和でとっても、美しい。
そんな場所へ、戻るんだ。
さあ、今までより少しだけ自由になって、今までより少しだけ自分に自信を持てた私の、新しい毎日が、
ハジマル。




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