東京横浜ライブレポ


昨晩は興奮の余り朝方にようやく眠れて、目が覚めればもう開場時間な夕方。

こんな大事な日にもいつも通り寝坊する自分自身と、路上駐車の車にムカつきながら
関東ライブ2日目の会場となる横浜市内のライブハウスへ、MTBを走らせる。

会場へ到着すると時間が相当おしてるらしく、開演予定時間はとっくに過ぎてるのに
ハコの前の細い路地では小雨の中、大勢のお客さんが上気した顔でタムロ、してた。

MTBを停め、何となしに周りを見渡すと、昨日は余裕が無くて全く気がつかったけど
服はしごく普通なのに足元は何故かハダシのヤツとか(コイツは日常的にハダシなのか?)、
変なマントみたいなのを羽織ってるヤツとか(スナフキン?哲郎?どちらにしろ旅人風?)、
歩く度に足首のごっつい金属の輪っか同士がガチャーなんて鈍い音を響かせるヤツとか
(その音、自分自身気にならないのか?)、あとそうヒッピー丸出しなグループとか、
とにかく普段は一体ドコで何してんだろ?なんて強烈なカッコしたヤツラがいっぱいいる。

少し圧倒されているとようやく開場な様子。逃げるよにフロアに続く階段を地下へ潜る。
あーゆー風にだけはなっちゃダメだ!でも・・・そんだけ周りの目を気にせず自分の
世界観を大事に出来るってのは、凄いコトなのかも知れないな。自分には出来ないな。
なんて考えていると、魂を模した白い風船が沢山のっかった布製のレインボーの橋が
フロアいっぱいに架かる、天上界みたいな空間で昨日の続きの宴が、始まる。



「痛いの痛いのとんでけ」
早速すげーイイ歌。やるじゃん。今日のライブも最高楽しみ!!!
そう言えばミクシーでONSENSのライブ1回分はシャーマンのセッション1回分の
“ココロの学び”を促す効果があるなんて、誰かが言ってたな。
て言うかシャーマンて!そんなの現代社会にいる訳ねーじゃん!寝言は寝て言えよ!
でもソレが本当ならボクだってボクだって・・・シャーマンに、ONSESNに、
魔法だってかけてもらいたいよ。

「Hello my mam ! 」
しゅるしゅるココロにしみこむしみこむ。
慈悲みたいなのモノ?が自分に降り注ぐ感じすらする。
って何となしに隣のヤツを見ると、
うわ!真横のスキンヘッド、感極まった様子でもうガン泣きしてるじゃん!
ちょっと待てよ!お前、その風貌でそーゆー泣き方しちゃうの!?

「Sorry」
異常な風貌のヤツが異常な泣き方してるから、気になってライブに集中出来ない。
何でコイツはこんな風に人前で平気で泣けるんだろう?恥ずかしくないのか?
って言うか、まだライブ始まったばっかだし。そんでももう泣けちゃう訳?
何かわかんねーけどムカつく!!何なんだよお前!!!!!!!!

「インラケチ」
ちっくしょう。腹たてても仕方ねー。せっかくのライブだ。
訳わかんねーヤツのコトは無視して自分は自分で音に集中しよう。
なんて目を閉じると、
激しい歌声からスグに肯定?みたいな意識?が流れ込んでくる。
でも、ソレはポジティブ?な意識のハズなのに、ボクはとってもとっても
悲しくなって、しまう。
何だコレ?

「Be yourself 」
曲の頭出しにシャララララと、星が流れるような美しい金属音。
優しさ?
ふつふつと勇気が沸いてきて、感謝のキモチさえじわーってしみ出てくる。

今日は、昨日みたいな映像は見えないけど、感情にビシビシくる感じがするなぁ。
でもコレはコレで別に、悪くはないね。

「美しい歌を聴くのはきっと悲しい気持ち」
ボーカルがアキラさんから変わって、さっきまでギターを弾いてた
メガネのヒト(タケちゃん?)がソロで歌う。
その声からは、果てなく高く、果てなく広がる青空が、連想させられる。
でも何だかとっても平坦で、そしてちょっと心元ない位さみしくもあって。
でもとってもとっても、優しくて。
だからカオがへにゃって緩む程度には、嬉しい。

そしてふと、ああ、自分はもう旅に出なきゃいけないんだって言う想いが急激に、
湧き上がる。
ボクは今の居心地の良い場所を捨てて、もう旅立たなきゃいけないんだ。
もうボクは“今のままのボク”では、いられないから。
“何かを終わらせなきゃ”いけないから。
でも“何かが終わる”と言う事は“何かが始まる”と言う、
とってもステキなコトで。
だからソレはむしろ喜ばしいコトであって。

旅。
旅か。

再度、隣のアイツを盗み見すると相変わらずガン泣きしてる。
しかももう涙をぬぐうコトすらやめて、ただただ大粒の涙をこぼし続けていて。
でもソイツを見つめる視線が、いつしか柔らかくなっていた自分に、
気がついたりした。

「moon time」
アキラさんのピアノソロ。
絶対的な大きさ、圧倒的な優しさ。
静かな穏やかさと暖かさに包まれてボクは、嬉し涙をこらえるので精一杯。
(ていうかボクまで泣きそうになってるし!?)

でも隣のアイツは相変わらず恥ずかしげもなくゴンゴン泣いてて、
しかも拳を握り締めて歯を食いしばって、小刻みに震えてもいて、
小学生みたいな泣き方になってる。
ボクはソイツを抱き締めてやりたい衝動に駆られて目を、
そらした。

そして昨日に引き続き、パラフォン&ダブルタイコのパーカッション!!
始まると同時に前の女の子達が「前はもっとエリちゃん(タイコの女の子?)が
ヤオさん(タイコの男の人?)に必死でついてゆく〜。って感じだったけど、
昨日はリエちゃん自身がぐっと前に出る感じになってたね。
パーカッション自体も、前よりも変化があって飽きさせない流れになったし。
久々のライブだけど、バンド全体の技術もすっごく上がってる。
凄いね!何かこのバンド、変化し続けてるね!!」って言ってた。

何だその発言。キモ!常連のつもり?!グルーピー?!とココロの中で悪態をつくも、
スグに連続する音に飲み込まれる。

始めは戸惑い。迷い。不安。悲しみですら、溢れる。
でもいつしかソレすらも嬉しさと喜びに、変わる。
言葉のない世界で嬉しげに音が歌う。手を差し伸べながら楽しげに音が踊る。
音が鳴る音が鳴る音が鳴る!!!
ああ、ココは虹の森だ。子供の森だ。遊びの森だ。
隣のアイツは泣きながら、流れるような美しいステップで妖精みたいに
踊ってたけどボクは、人前で踊るなんてみっともなくて出来ないから
足元でリズムだけ、歌った。

「テオナナカトル」
一転、ちょっと生唾をゴクリ飲み込んでしまう程の狂気。
アキラさんによる悲鳴に近い狂人風な絶叫が会場を押しつぶしシンとさせる。
ボクは目を大きく見開かされたまま、身動きヒトツ出来ない。
最後に軽いドラム音がタン!と響いて、金縛りはとける。良かった。
いやコレマジでどーなっちゃうんだろう?とか正直ちょっと、怖かったんだ。
でもこんな狂気は普段は出てこないだけで、誰の中にでもあるモノで。
少なくともボクの中には、全然ある。
こんな狂気多分、全然ある。

「ミタクオヤシン」に続いて
「Brave heart」
かすかな希望。小さな光。
ボクは、ボクは、旅に出ようと、思うんだ。
ONSENSは「とりあえず旅に出ろ!」って歌う。
良くはわからないけど、とにかく旅に出さえすれば、何かが、変わるらしいんだ。
旅で色々なモノを見て、色々な体験をして、色々なヒトに会えば、
世界の見方?が変わるらしいんだ。そしたら、いつの間にか、
自分自身も、変われてるハズ、らしいんだ。

ボクは、変わりたい。
自分を、変えたい!

でも、でも旅なんて怖いよ!
旅に出たからって本当に自分が変われるって保証もない!
むしろ状況は今より悪くなるかも知れないし!

でも、この歌は何も信じられないボクにとっての安息の歌。
絶対に見捨てない愛。絶対に裏切らない愛。
全肯定してくれる、シワくちゃ笑顔のお婆ちゃんの、愛。
だから、信じれる。
そしてこの歌は弱いボクの背中を押してくれる激励の歌。
優しさゆえに、厳しく接してくれるお母さんの、愛。
だから、頑張れる。

ソレだけを頼りにボクはゆこうと、思うんだ。

「だいじょうぶマイフレンド」
昨日のステージで祭りソング「人の一生屁のごとし」を歌ったベース担当の
背が高いヒト(リュウさん?)がソロで歌う。
昨日も思ったんだけどこのヒト、ちょっと尋常じゃない位のダミ声。
そんな声でボーカルかよ?とも思うけど、まあ味があるっちゅーか。
つーかまあぶっちゃけ、もっと聴いてたい感じっちゅーか。
何故か安心させられも、する。

しかもスタッフらしき人達がボーカルでパート参加。
メンバー以外も歌ってもイイんだ!って雰囲気に、サビのトコロではお客さんも
ココロの高まりを我慢し切れず、競うように超超超大合唱!
ちょっと過剰で異常な盛り上がり!
普段はこーゆー状況になっても意地でも歌わないボクも、
どさくさに紛れて喉を全開に開いて怒鳴るように声を出す。
自分自身に言い聞かせるように歌うよ。
どんな時だって、どんな風だって、そう、だいじょうぶマイフレンド!

「fragile」
再度、静寂。アキラさんのピアノ。静かに静かに、丁寧に丁寧に、言葉を紡ぐ歌。
前から3列目の左端を陣取ってたボクは、後列にも静かで心地良い音が届くように
膝を折って体操座り。
と同時に、こんな風に他者を気づかう自分に、驚く。

相変わらず隣のアイツはゴンゴン泣いてる。
ふいに後ろのランニング野郎がアイツにドリンクを差し出した。
アイツは少し驚きつつも小さくペコリおじぎをして、ソレをヒトイキに、飲んだ。

ボクの中を穏やかであたたかな何かがゆっくりと、広がってゆく。

「Happy birthday」
さあ祝福だ!誕生を、存在を、生まれ変わりを、そして回帰さえも、祝っちゃおう!
頭上に架かる虹の橋から真っ白な風船がヨーイドン!で大勢降りてくる。
その祝福の象徴は、みんなのタッチによって会場いっぱいに飛ぶ飛ぶ飛ぶ!
風船は笑顔と共に隣の誰かに惜しげもなく受け渡される受け渡される。
風船がギフトされるのと同じ速度で、歓喜が隣の誰かにどんどん連鎖する。
連鎖すればする程、どんどん増幅もする。ドコまでもドコまでもドコまでも!
そう、もうコレ以上ないって位に!!!!!
祝福を誰かと分かち合うコト。歓喜を誰かと分かち合うコト。
ソレは既に・・・愛ってヤツの一部なのかも、知れない。

そしてアンコールは
「Dancing BUDDHA」!!
DA・ダンス!DA・ダンス!
DA DA DA DA DA DA DA DA・ダンス!
みんなもー、ビョンビョン跳ねながら踊る踊る踊る!!
クチは開いちゃって!カオもヒラいちゃって!
ああ、ああ、もう我慢出来ない!!!!!
人間のカタチをした“嬉しさ”が左右に大きく波打つ中、
前から2列目のド真ん中、ほんの一瞬だけ空いた小さな空間にボクは飛び込んだ!
ボクも踊る!ボクだって踊る!!!!

DA・ダンス!DA・ダンス!
DA DA DA DA DA DA DA DA・ダンス!
体を激しく揺らして両足は大地を踏み鳴らす。時折、両手を天に掲げる。
踊り慣れて無いボクは、明らかに変な動きしてるだろうけど、
もー別に誰かに変な風に思われたって別にイイや!今楽しいコトの方が大事!!
不意に隣のヒトと体がぶつかる。でもソレだってむしろ笑顔を交わすキッカケになる。
踊るって、踊るって、スゲー楽しいんだなぁ!!!

そう言えば“歌”“踊り”ソレ自体が、元々は神様に捧げる“祈り”だったって、
何かで読んだコトがある。
じゃあこの踊りも祈り?ただ楽しくて体を動かしてるだけだけど祈り?
だとしたら、祈りって祈りって・・・仰々しくて畏れ多いモノかとも思ってたけど
意外と“身近で”“楽しい”モノなのかも、知れないね。
じゃあ今は、体いっぱい心いっぱい祈っちゃおう!
踊れ!ボク!祈れ!ボク!ダンスダンス!DA・ダンス!!!!!!!!

「ぬちどう宝」
ぬちどう宝。命は宝。
さっきまでダンスで地鳴りさえおこっていた会場は、急速に穏やかさを取り戻す。
ボクのエキサイトしていたココロも、感謝と幸福と優しさで静かに満たされる。
満たされる。満たされる。ただただ、満たされる。
とっても美しい時間を、ありがとう。
他のお客さんの顔も、まったく同じコト言ってて、言葉は交わさなくても、
ボクらはヒトツなんだなぁ。って、じいんって、したよ?




ライブ後はフロアの真ん中に料理の乗ったテーブルが運ばれてきて、その場で打ち上げ。
昨日はそのまま帰っちゃったけどせっかくだから・・・今日は参加してみようと思うんだ。

グラス片手にトイレに通じる狭い通路の壁にもたれながら賑やかなフロアを眺める。
他のお客さんはONSENSメンバーと話をしたり、誰かと談笑したりしてるけど、
ボクはメンバーに話しかけるつっても何話してイイかわからないし、
同じ時間を共有した“同士”のようなお客さんと言えど、知らないヒトに自分から
話しかけるとか、そんな“負け”みたいなコト絶対に出来ない。

そんな風にじりじりと二の足を踏んでいるウチに、いつしか
興奮の余りの高揚は怒りのような高ぶりに、ひっくり返って、しまう。


何だ。
何でみんなそんな楽しそうにしてるんだ。
何で自分はこんなトコロでヒトリを痛感させられなきゃいけないんだ。
スタッフはもっと気を配って、1人で来てる客に話しかけたりするべきだ!
まあ周りのヤツラみたく、初対面でやけに話が盛り上がるってのもキモチ悪いけど!
ソレに、ソレにさっきのスキンヘッドのアイツだって、男のクセに人前で泣くなよ!
そんでそんなヤツにグラス差し出すヤツも差し出すヤツだ!
全員クソ!!ココにいるヤツラ全員クソクソクソ!!!!!!!


そう。後で本で読んだんだけど、自分のキャパを越えるあまりに大量の“聖”を浴びると、
ひっくりかえって自分の中の“汚”が大量に溢れ出てしまうコトがあるらしくて、
(ソレってある意味・・・洗浄。って言うか“浄化”みたいなモンなのかな?)
だからって訳じゃないけど、その時のボクは自分がその賑やかさに上手く参加出来ない
悔しさから、目につく全てを否定、したんだ。
だってそうしないと、自分が自分がその場に、立っていられなかった。
から。


そんな時、唐突に後ろからスタッフらしき女のヒトに良くとおる優しげな声で、
「テーブルのゴハン食べてってね〜」なんて話しかけられる。

急に声をかけられて不意をつかれたのもあるけど、
すげー自分勝手なコトで腹をたててた自分を“見透かされた”感じがして、
ソレが急に恥ずかしくなって、カーッってなって
ボクはその声を振り払うように、グラスを

“ガチャン!”

と大きな音を響かせて、カウンターに叩きつけてしまう!


そうその時に、
振り向きざまに見てしまったそのヒトの
ビックリしたような、
怯えたような、
そして少し悲しそうなその、
カオを、
ボクは一生、

忘れはしないだろう。



そのヒトにそんなカオをさせてしまって、どうして良いかわからなくなったボクは
逃げるようにライブハウスの階段を駆け上り、MTBに飛び乗る。


みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。
みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。
みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。
みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。みんな死ねばイイ。


始めは「あの女のヒトにごめんなさい」って思ってて、
でもソレが「自分は最低だ」になって「自分がキライ」になって、
そしたら「みんなキライ」に変わって。
自分を呪う全てを呪う、そんな言葉を繰り返し繰り返し唱えながら、
アップダウンの多い街をただただ走り抜けた。


雨はもう、止んでた。
気がつけば家のすぐ近くのいつもの港まで、もう来てた。

MTBを投げ停めて、コンクリの防波堤に腰を降ろすと、
スグに潮騒の強いニオイに、抱き締められる。
夜風に頭を撫でられると、また感情がどっと吹き出てきた。


あのヒトにイヤな想いをさせた。とか、
でも。とか、
いつもこうだ。とか、
もう死にたい。とか。
自分を責める言葉を吐き続ける。

ソレは、とてもとてもツラい時間。でも、ボクにとってソレは日常。
だってそうしてるウチは、少しドロリとしてはいるけど、甘くて生温かい世界に、
浸っていられるからね。
まるで食虫植物に溶かされて、幸福のままゆるやかに死を迎えるみたいにね。


不意に鳴り響く、船の出港を告げる汽笛の音に
我にかえされる。


ボクは、ボクは小学校の図工の時間に太陽を黄色に塗って、
アタマがおかしい扱いをされた。
変なヤツ扱いされた。
1度、そーゆー立場になっちゃうともうずっと、そのままで。
その後も、コトあるごとに悪い意味で、特別扱いされ続けた。
軽いイジメだった。
ソレはとても、

悲しかった。

でもボクは自分では全然普通だし、正常だと思う。
でもソレがあんまりイヤだったから、また“おかしい”なんて思われないように、
出来るだけ出来るだけ、普通に見えるように生きて来た。
ソレにまたそんな風な想いをさせられる位だったら。って、
まず初めからヒトとは距離を取るようにして、生きて来た。
自分を守る為にはソレ以外どうしようも、
なかったから。


でも
ホントは、ホントはボクは、
作った自分じゃない、ウソじゃない自分で、生きてゆきたいし、
ヒトと距離を取ったりしないで生きてゆきたいし、
ましてや今日みたく誰かを傷つけたりせずに生きてゆきたい。


だってボクは。
ボクはボクはボクは、あのスタッフのヒトに話しかけられて本当はとっても
嬉しかったんだ。
ソレに泣いてたスキンヘッドのアイツとも話したかったし、
お酒をあげてたアイツとだって話したかったし、
出来るコトなら3人と友達にだって、
なりたかった。
でもボクはいつだって想うコトが上手く行動に、出来ないんだ。



ああ、神様。ボクはボクは

もっと素直な自分でありたい。

もっと優しい自分でありたい。

もっとヒトを傷つけない自分でありたい。

もっとヒトと笑いあいたい。

もっとヒトとわかりあいたい。

もっとヒトを信じたい。

もっとヒトを


愛したい。



ざざんざざぱん。

いつも通り海は、言葉では何も答えてくれない代わりに波だけ返してくれる。
でもその波は、いつだってボクを慰める歌を歌ってくれてるって、知ってるから。
ソレがあんまりあんまり嬉しくて、ボクは膝を抱えたまましばらく顔をあげずに
優しさの響きに包まれて、いたんだ。



そしてボクは翌朝一番に、大学に休学届けを出した。
もちろん親に相談もしてない。
ボクはなりたい自分になる為に、ゆかなきゃいけないから。
もちろん、なれるかも知れないし、なれないかも知れない。
でもどうにもならなくても、ソレならソレで別にイイ。とも思える。
だから行くだけ行ってみようと、思うんだ。
ONSENSに背中をおしてもらったし、ね。


ボクは旅に出ようと、

思うんだ。



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