ボリビア:6「ウユニ塩湖と妄想とミイラで死にそうになる」


塩味風味のウユニ塩湖へ行く。

もう360度、塩。全面的に、塩。ホワイト全開。白満載。
あんまり白くて塩かと思いました。いや塩なんだけど。

雨季だからその塩湖に水が溜まって巨大な水たまり鏡が完成。
地平線まで水たまり。この世の果てまで水たまり。絶望的なまでの水たまり。
最早既に海レベル。ていうか塩湖。つう位だから湖なんだけど。

青い空とか白い雲とかが塩湖に鏡みたく映り込んで、鮮明に同じ色と同じ形を映す。
最早ロールシャッハテストみたいでもあるし、騙し絵みたいでもある。

ヘタに逆立ちしたら、どっちが「本当の空」で、どっちが「水面に映り込んだ空」なのか、
リアルにマジでわからなくなったりしそうな程で、何だか誰かの妄想に巻き込まれて
いるかのようで、軽いめまい。

塩湖の中の一本道を水をはねてぐんぐん進む車。
窓の外には延々、塩湖。空と雲と、空と雲を抱く水面と。
いつまでもいつまでも飽きずに眺める。

塩湖の真ん中でランチ。
メニューはじゃがいもとニンジンの炊き込みゴハン。お鍋に残った白米を少しもらって、
おにぎり作り。せっかく塩があるんだしね。ていうか塩しか無いんだけどね。
同じツアーのイギリス人に最高にいぶかしげな顔をされつつ嬉しくほうばる。

車は再度ぐんぐん進み、塩の島に存在するミイラを見学。
このミイラ、特に誰かが管理していた訳でもなく、塩分によって勝手に
保存されてたらしい。
しかし何でこんなトコロでミイラなのか。塩湖を歩いてるウチに遭難でもしたのかな。

何軒かある塩のホテルに宿泊。密封されている状態なので意外と暖かい。
壁とか家具とか全部塩で出来てて、折角なのでイスにかぶりついてみる。もちろん塩味。
ディナーはリャマ肉のステーキ。牛肉と似てました。
夜中に目を覚ますとキンキンと静けさで耳が痛い。

翌日はあいにくの雨模様。
水滴がはねて水面に空や雲は映り込まないけど、つるつると湖の中を走っているようなカンジ。
乗っているツアーの4WDが軽く雨漏り。雨漏りする車なんて人生初。
この旅は「人生初」って経験が多いなぁ。

午後には雨もあがる。
昨日は塩湖の中のメイン道を走ってたけど、今日は他の車のタイヤ跡とかも一切無いトコロを
突っ走ってくれるので、昨日以上に空と水面に映る空がハッキリ見える。
すげーなオイ!と興奮しつつも、塩湖。つーか一面塩世界にも正直飽きてきて普通に居眠り。

ちなみに塩湖観光の拠点となるこのウユニの街は他の街から相当遠く、また人口も少ないので
中心部から5ブロック離れただけで、もう地平線が見える。
また昼夜問わず塩が風で飛んできて玉ねぎ切ってるみたく、目がしぱしぱする。
髪もゴワゴワする。肌も弱冠突っ張る感じがする。暮らしてるだけで中々ハードワーク。

塩大満喫な日々で調子に乗って塩の灰皿を購入。他のお土産品と一緒に船便で郵送。
でもボリビア海無いんですけど。どう船便なのか。
ただ、南米から日本に荷物送るなら物価の安いボリビアよりも、先進国気味のブラジルの方が
安いと知ってダイブげんにゃりなのは後日談。



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