ペルー:1 「南米入りしてビビって死にそうになる」


世界中から観光客が訪れる割に薄暗くてマジでショボくれてるペルーの首都リマの国際空港に深夜に、到着。

まずペルーだから当たり前なんだけど、空港内にペルー人が沢山いて普通にビックリする。
外国、怖えー。

深夜だし、地図もガイドブックも無いし、どうして良いかわからなくてとりあえず途方に暮れる。
とにかく明るくなってから動こうと、バックパックをマクラに空港の隅っこで朝まで眠る。


翌朝、空港を出ようとバス停を探しているとツーリストポリスに「危険だからタクシーに乗りなさい!」と掴まえられる。
「南米と言えば危険」のイメージがあるのでビビって言われるままにタクシーに乗る。
しかしツーリストポリスが「危険だから!危険だから!」って連呼する国ってどんな国よ。

土地勘も無いし、とりあえずダウンタウンの中央広場に向かってもらう。
中心部より少し危険かもだけど、ダウンタウンになら安宿があるでしょ。

広場近くの適当な安宿に入ると当然のようにスペイン語オンリー。単語英語も通用しない。
スペイン語なんて「ブエノスディアス(こんにちは)」と「オンヂエスタバーニョ(トイレはドコですか)」と
「グラシアス(ありがとう)」しか事前に勉強してないっつうの!


まず私は南米。つったら「マチュピチュ遺跡」と「イースター島」と「トランコーゾ」しか知らない。
今いるリマって街がペルーのどの辺りなのかもわからない。そしてマチュピチュがどの辺りなのかもわからない。
マチュピチュにどうやって行くのかもわからない。
ヘタすると南米大陸の中でペルーがどの辺りなのかも怪しい。

明日からどう動いて良いかわからなくて安宿で1人、再度途方に暮れる。
今なら履歴書に「特技・途方に暮れる事」って書けそうです。書かなくてイイっつーの。


ムダに途方に暮れても仕方無いのでスペイン語でもイイから地図かガイドブックを買おうと本屋を探していると
バッグばっかり売ってるお店が何10件も並ぶバッグ通りに入り込む。
何だかこの国はバッグならバッグの店が、帽子なら帽子の店が、路上靴磨きなら路上靴磨きの店が、
通り丸ごとヒトツ又は建物丸ごとヒトツに、過剰に集まってる。
床屋ばっかり20軒位並んでる通りもあるらしい。床屋祭りかよ。

夕刻は何だかココロ細くなる程のぼんやり燈色の夕暮れ。
地に足がついてなくて、夜なんかよりもずっと犯罪が起こりそうな、少し、ソワソワするような雰囲気。
ココロがムダにかき乱されて、急いで宿に帰って部屋のTVでペルーでも放送されてるポケモンアニメを見る。
スペイン語全開だけど、「ピカー」とか叫ぶトコは同じで、何だかムダに少し、安心。



翌朝、そういえば南米各地には日本人宿があるって聞いた事あるな。とネットカフェで
「peru rima japanese guest house」で検索するとリマにある日本人宿「沖縄」がヒット。
もちろん即移動!

民家っぽい引き戸には「ブザーを押して下さい。」の張り紙案内!平仮名だ!漢字だ!日本の文字だ!
スタッフに「こんにちは」とか言われる!ににに日本の言葉だ!
うわ!日本人旅人がいっぱいいる!日本語の本もある!日本語のガイドブックも!!!
日本茶まで!?・・・凄い凄い凄い!!!!
「ここここんにちは!わ私、イワセって言いまする!」
超久々の日本語が嬉しくて興奮し過ぎて何故かちょっとカタコト。



翌日、親しくなった宿のみんなでリマの名誉市民・天野芳太郎さんが設立した天野美術館へ。
日本人スタッフに日本語で各展示品の説明をしてもらえる。
いきなりふんどしの織物があって度肝を抜かれる。

レーザー光線でも開けられないレベルの小さい穴の開いたビーズの装飾品と
本体の青銅器自体と鈴がつなぎ目無くっついている装飾品。
何だソレ!どうやって作ったんだ!現代の科学だってムリだぞ!
ひょっとして滅びてしまった古代は、現代よりも進んだ科学を持ってたのか・・・?

アジア人、アラブ人、ヨーロッパ人をモチーフにした土器。
・・・?このプレインカ時代って未だ大陸の往来って無かった。って、学校で教えられた気がするよ・・・?
何で違う大陸の人達の顔とかわかるんだ?本当は既に大陸の往来はあったのか・・・?

謎と不思議がいっぱいです。古代。

そして壁一面に張り出される大きな大きな、織物。猿のような動物が規則的に並んでいるデザイン。
でも織物のはじっこの方は、作ってる人もめんどくさくなってくるらしくて織られている柄が適当になってて笑える。
何故か顔が2つあるとか、しっぽがあるべきトコロに顔があるとか、横向きじゃなくて正面向いてるとか、
あと、既に猿じゃないとか。
ちゃんと仕事しようぜ!古代人!

何だか・・・適当に手を抜いて仕事する。とか、やってるコトは・・・古代人も現代人も一緒だね。
同じ、人間だね。



夜はみんなで中華街にゴハンを食べに行く。大福が美味しくて美味しくて3個食べる。
日本語をしゃべれるのが嬉しくてテンションが高かったのもあるけど、日記には
「ココ2週間位で一番感激したコトは<大福が美味しかったコト>。」とか書いてあって、後で読んで、笑う。

幸せの沸点の低いツラい旅してるな。私。



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