スペイン:2「大パーティと芸術とゴリラの物まねで死にそうになる」


宿のキッチンでは、何だか大人数が大料理大会を開催中。


「今日は大パーティーよ!みんなでゴハン食べるのよ!」
「面白そう!混ぜて!」
「イイわよ!」と即答!

中国系フランス人が3人、中華料理を大鍋で創作中。
そしてドイツ系フランス人のママがお手伝い。
そして完成した鍋を持って共同ラウンジへ行くとテーブルに20人のお皿と
フォークとナイフが並べられていて、そのお皿に鍋から盛り付け。

メニューはハムのメロンのせに豚肉の甘煮、お米。そしてカットイチゴ。
すげえ美味そう!頂きます!

みんなでおしゃべり。共通言語は英語。
初めて知ったんだけど、超なまってる英語とか、超歯切れ悪い英語とか、
英語でも人によってイロイロある。

冷静に考えて、オーストラリアで語学学校行った時、ドイツ人とか
チェコ人とかいたもんなー。
ヨーロピアンってみんな英語ペラペラだと思っていたけど、
そんな事無いんだよなー。何か超安心。


しかも食べながら、食べ方が超汚い人、料理がクチに合わないのか超残す人、
また隣の女子をくどいてる人、はたまたもうだんまりの人、何だか超個性豊か!
今まで観光地だけ行って、しかも日本人としかつるまなかったなー。
外国人がこんなイロイロって知らなかったな〜!

そして私は調子にのっておかわりしたら、もうみんな食べ終わって席を立つ。
そうなのだ。ヨーロピアンって個人主義が過ぎて「待ってる」とかが無いのだ。
日本人ならこういう時、全員が食べ終わって待ったりするけど、
ヨーロピアンは絶対待たない。

前にも外国人との数人食事の時に、こういう状況になって、あんまり
しゃべらなかった私って嫌われてるのかな
とか落ち込んだりしたけど、
でもそういうモノなのだ。

悪いとか悪くないとかじゃなくて、そういうモノなのだ。
段々慣れて来たぞ。


その後、食事をしたラウンジに再度人が集まってくる。
連想ゲームが始まる。リーダーが身体の部位とか単語とかを書いたミニ紙を
見て、ソコを指でさしたり、ジェスチャーしたりして、みんなでソレを
当てるのだ。

そしてリーダーは次々変わる。

コレがヨーロピアンの遊びかー。
とも思うも、正直、
あんまり面白くねえよな。



ヒマをもて余してラウンジのテーブルにあったスケッチブックに
NINJYAとKIMONOの絵を描く。
書き終わったのを一人が見つける。

何コレ!超上手いじゃん!と、その場にいるみんなに見せる。
ゲーム中断。何故か大拍手が巻き起こる。

いやいや、ソコまでする程じゃないから!立ち上がって謙遜して、
後ろにあとずさりすると、壁沿いにあった
間接照明にアタマをぶつける。
その音にみんな大爆笑。笑いがとれて良かったです。


もっと描いてくれと言われて、キリストとか宇宙人とかイロイロ描く。
マジで驚愕の目で見る人とかいて、
この旅初めて、絵が描けて良かったなと思う。しかし似顔絵とか描けたら、
もっとウケるんだろうなぁ。


そしてゲームはどう考えても
そんなに面白くないけど、
みんな超盛り上がって1時間ほど続く。


翌日、街を散策していると、巨大モールがあるのを発見!
しかも激安ショップのお店発見!

普通に服が20ユーロ(2500円)から50ユーロ(6000円)はする
スペインだけど、このお店では、Tシャツが5ユーロ(500円)、
ワンピが10ユーロ(1500円)で売ってた。
うわ!買い物してえ〜!
いきなり物欲が溢れる。旅の途中だから、何も買わない予定だけど、
ウインドショッピングくらいしてゆこう。
しかもこの靴売り場、試し
履きした後の靴が散乱。
しかも何故か靴売り場なのに、水着まで
散乱していて、店員、片付けろよ!と。

更には人、超並んでるのに、レジは
10台あるけど、3台しか稼動して
無かった。

再度、ヨーロッパ中でも
スペインはそういうアバウトな国かよ!と再認識。


 
そしてまだ日も高いしと、サン・パウ病院へ。

「芸術には人を癒す力がある」と
言う信念のもと、建物全体が
ステンドグラスやタイル、

モザイクで飾られている病院。
病院だけど、世界遺産に登録されている。


ガイドブックを見ながら、すげー場所ね!と興奮。
地下鉄を降りてゲート前に立つと、その造形美に、
つい「美しい」とつぶやいていた。

敷地内を歩く。
建物は全てバロック調。キリストや天使や花のモザイク壁画が溢れる。
何つーか、建物全部が
教会みたいじゃん!


建物内部をちょっと覗くと、外観とは異なって、自動ドアやコンクリ壁の
近代的な内装。

病室まで入るのは、はばかれたけど、ココに
入院する患者さんは幸せだなぁと。



そして夕方近くに宿に戻る。
私はトルコはイスタンブール行きの飛行機に乗るため空港へ。

名残惜しいまま地下鉄を乗り継いで郊外列車へ。
乗り込んだ隣の席が、フランスから来た女子高生6人組で大騒ぎしているので、
寂しさも紛れる。
ゴリラのモノマネとかして意味無く会話に混じる。仲良ち。
でも女子らとも、空港でハグしてお別れ。


空港チェックインもスムーズにいき、空港内で一息。
旅は、本当に楽しい。
旅の神様に守られてるんじゃないかと心底思うほど楽しい。
窓の外の雲が神様の姿に見える。

雲をずっと眺めていると、雲はちぎれてちぎれて、消えてった。
私の中の想いは、感謝は、消えないまま。



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